BtoB企業のマーケティング部門と4P戦略

マーケティング
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マーケ部門への期待とズレ

「マーケティング」という言葉は広義では経営全般に、狭義では広告宣伝に使われることがあるが、この言葉の意味の振れ幅が大き過ぎるため他部門と打合せをすると認識がズレるどころか、会話のスタートライン違っていたりする場面に出くわします。

このようにBtoB企業においてマーケティング部門の役割定義がなぜ曖昧になってしまうのかという点を4Pの視点から考えてみました。

4Pとは

マーケティングの基本用語ですが、マーケティング戦略を支える4つのP(Product)(Place)(Promotion)(Price)を指して4Pといいます。そしてこれらそれぞれの戦略を4P戦略と言います。

分かりやすく言うならば、何(Product)を、誰(Place)に、いくら(Price)で、どのように(Promotion)売るのか 

本来、マーケティングは4Pを俯瞰した戦略と実行が必要なはずなのですがBtoB企業においてはPromotion部分にフォーカスされることが多いのは何故なのでしょうか。

Priceについて

BtoB企業の場合、最終的な契約価格は営業担当者が決めることが多くなります。その顧客との関係性によりボリュームディスカウント、継続的な取引による利益の最大化など、その意図は状況により様々です。

案件クロージングに対して最後の判断材料になる価格決定権を営業から奪うのは合理的ではなく、Priceについてマーケティング部門の関与する余地は少なくなってしまいます。

私はBtoC企業で働いた経験がないので、詳しくは異なる点もあるかもしれませんが、多くの大手BtoC企業の場合、店頭など最前線の担当者は”営業”ではなく”販売”と定義されSalesに特化していることが多いように思います。

Productについて

Productについては完成品メーカとパーツメーカによって違うも違うかもしれません。例外は当然ありますが、完成品はBtoCが多く、パーツメーカはBtoBが多いのも特徴です。

完成品メーカ(BtoC)の場合、マーケティング部門の中に商品企画や商品開発といった部門があり、Product戦略を担います。パーツメーカ(BtoB)の場合は技術部門の中の開発/企画部門がProduct戦略を担うことが多くなります。

特に個別の技術についての対立した場合、マーケティング部門でイニシアティブをとるには相応の技術知識を持って説得を行う必要があります。

Placeについて

BtoBの場合、新規の顧客開拓には大きなコストが必要で、既存顧客への販売にくらべ約5倍のコストががかかると言われています。

そのため、既存顧客に対してアップセルやクロスセルを行うことが第一の戦力になりがちで、Placeの選定が自由にできない。または営業部門との利害対立を生む原因となります。

他部門から見たマーケティング部門

上記のように、Productは技術開発部門、Place/Priceは営業部門のそれぞれが主役として存在しておりマーケティング部門からは意見が難しい環境になっていることが多いのではないかと考えました。

結果、マーケティング部門=Promotion部門 という捉えられ方をされる場合が多いのではないでしょうか。

さいごに

マーケティング戦略を良いものにするためには、4Pの連続性と整合性が必要不可欠になります。

マーケティング部門の役割は、Promotionを軸に各部門の利害関係に配慮、4Pに連続性を持たせた全体戦略を実現する落としどころを探すことなのではないでしょうか。

まぁ言うは易し。の典型ですね。

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