プリセールスの役割とやりがい

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プリセールスとは

プリセールスとは、プリセールスエンジニアの略で、サービスやシステム導入に際して営業を技術面でサポートする役割を指します。

業務範囲は会社により異なりますが、主に要件定義、提案、製品デモ/プレゼンテーションを行うことが主な業務となり、受注後の詳細設計や実構築作業は行いません。セールスエンジニアと呼ばれることもあります。

また新卒(業界未経験)でプリセールスエンジニアのポジションにつくことは稀で、主に設計/構築エンジニア(ポストセールス)の中から適性により選ばれることが多いです。※このように書くと プリセールス > ポストセールスという風に捉える方がいますが、あくまで適性の差です。

プリセールスに求められる能力

プリセールスは技術的な素養がありながらも営業的な特性が求められます。求められる能力は組織により異なりますが、10年の経験から特に重要だと思うのが次の3つです

  • プレゼンテーション力
  • 営業をサポートする力
  • 目標(受注)に対する信念

プレゼンテーション力

プレゼンテーション力については、言わずもがなですが、カッコいいプレゼンテーションができればいいという事ではありません。

プレゼンテーションというと、大きなスクリーンの前で大勢の人を前に語る姿をイメージしますが、実際の業務ではそんな場面は稀で、数人から10人程度を相手に会議室でプロジェクターを使って提案書の説明をすることが主です。

流暢なプレゼンテーションができることは素晴らしいですが、この場で重要なことは提案書の内容を伝えることよりも、仕様書に書かれていない要件をヒアリングすることにあります。そうやって深いヒアリングを重ねて提案をブラッシュアップしていくことで自分の能力を表現して、社内外の信頼を勝ち取る必要があります。

営業をサポートする力

営業力ではなく営業サポート力(もっといい言葉があれば・・・)です。もはや営業力と言ってしまいたいですが、営業の主役として営業担当がいるので、そこは営業を立てないといけません。

営業を立てつつ、営業担当からは動きにく部分をフォローします。例えば、デリケートな予算や競合の情報を敢えて空気を読まずに聞いてみる、とか、利益が少ないような条件であれば、「案件を降りる」などのネガティブな発言をするということです。それで仮に空気が悪くなってしまっても、そこは営業担当がフォローしてくれるはずです。営業が「情」を、プリセールスが「実」を担い、情実を織り交ぜた交渉を進めることが一つの醍醐味でもあります。

受注に対する信念

プリセールスは営業やSEに比べて絶対数が少なく、受注後の業務にはあまり関わりを持ちません。ですので受注時に築いた顧客との信頼関係もプロジェクト完了後には、構築・実装で苦楽を共にしたポストSEや営業にものになり、プロジェクト打ち上げに呼ばれないなんてことは良くあります。

また、提案がメイン業務の為、社内でも「美味しいとこどり」と思われがちです。特に新機能や仕様変更がキーとなり受注に至った場合、デモ環境での実装は簡単でも、詳細環境に実装する場合に、やたら手間がかかるなんてことがあります。見積時に十分な工数を積んでおくのは当然なのですが、それでも「面倒な仕事取ってきやがって」と言われることもあります。

ただ、新規実装や検証が不要な提案ばかりしようとすると、そもそもプリセールスの存在意義がなくなってしまいます。なので技術を提案し、受注を得ることで会社に貢献するという信念が必要です。これだけだと営業も同じでは?と思われますが、営業との圧倒的な違いは最悪の場合に自分が実装・構築をするという選択肢があることです。※上司には怒られますが・・・・

この最後には自分でどうにかできる、という選択肢があるからこそ、営業だけではできない提案を現実化できるのがプリセールスの大きな役割です。

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