マーケティングへの不満
営業組織がマーケティングに対して感じる不満として「直接的利益に貢献していない」「大きな花火を打ち上げているだけ」などがよく言われることがある。
これはある意味でご尤もな意見でもあり、ただの認識不足ともいえる。
マーケティング戦略と言っても、様々なものが存在するが大きくはブランディング戦略とセールス戦略という二つに分類することができ、それぞれに異なる目的をもって実施しているのである。
ブランディング戦略
ブランディング戦略は、ある製品や会社の認知および知覚価値の向上の為の戦略を指す
イメージしやすいもので言うと、大規模イベントのスポンサードや、著名人とのコラボレーションなどで、ブランドの知覚的な価値を訴求するために行う。
簡単に言えば、「〇〇と言えば△△」というようなイメージの刷り込みをゴールとしている。
そのため、浸透には時間と費用がかかるが、短期的な効果が見えにくいことが多いため、営業サイドからは利益に貢献していないと槍玉にあげられることが多い
ただ長期的にみるとイメージを浸透させることで、あらゆる購買フェーズでのコンバージョン率の向上が見込めるのである。
セールス戦略
セールス戦略はブランディング戦略とは逆で、時間軸としては短く、より直接的に購買意欲を刺激するための戦略を指す
例えば、「在庫一掃セール!」や「他社からの乗り換えキャンペーン!」など分かりやすいメリットを訴えかけることで購買行動へつなげるために行う。
こういった直接的な販売促進は営業組織との連携も取りやすく、連携することで寄り大きな収益を生み出すことができる。
ブランディング戦略を担うのは誰か
前述のようにセールス戦略では営業と連携が取れるが、多くの場合、ブランディング戦略で連携が取れる営業が存在していないため、マーケティングと営業のコンフリクトは起こり続ける。
ハイタッチセールスという存在
そこでブランディング戦略を担う営業として存在しているのが、ハイタッチセールスという存在だと考えている。ハイタッチセールスは外資系メーカーでよくみられる職種であるが、日本企業ではあまり該当する職種が少ないく、強いていうのであればラージアカウント担当営業というのがまだ近いかもしれない。
ハイタッチセールスは主に注力顧客(エンドユーザ)に対して営業パスの構築とセールス活動を行う。自社の理想とする顧客に対して深く入り込み、先進的な製品やサービスを投入し市場価値を高めるための活動を行う。
その顧客単体での単純な収益よりも、継続的に関係を維持することで先進的な事例を作ることで企業価値を向上させ、ブランディング戦略の一翼を担うのである。
ブランディング戦略をマーケティングとともに担っているハイタッチセールスという存在があって初めてマーケティングと営業組織の溝を埋めることができるのではないだろうか。
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